先日、中房~槍ヶ岳(表銀座)のルート途中、合戦小屋にてスイカを食べている時に雨に降られ、雨具着用を余儀なくされたのですが、その合戦小屋のベンチの対面に座ってた女性が、ポンチョタイプの雨具を着ていて、『アレもアリだなあ』などと思い、雨具についてちょっと考えてみました。

毎度の事ながら他人任せで申し訳ないですが、
オススメ10選とか、最新雨具はコレだ!とか、
ちょっとググると、数限りなく出てきますので、雨具の機能、性能比較などはそちらをご参照下さい。

ここからの文章は、かなり個人的な考えも含まれると思いますが、参考になれば幸いです。

雨具選びのポイント

雨具を選ぶポイントを並べれると
撥水性、防水性、透湿性、重量、収納性、価格、サイズが合うか・・・
こんな所でしょうか。

際限なくお金が使えるお金持ちの方でしたら、
とりあえず一番高いのを買っておけば失敗はないでしょう。
でも私のように一般ピーポーで、安くて良い物を求める方には、
性能と価格で非常に悩みます。
 

それを踏まえて、一つ一つ上記ポイントを紐解いて行きます。

撥水と防水の違い

撥水と防水は違います。
よく勘違いしがちですが、似て非なるものです。
例えば、何か布とか紙の上に水を垂らしたりして、
染み込まずに水玉になると、“撥水”している事です。

連続して水を垂らして行くと、水玉は出来ますが、
布(紙)の裏側はびしょびしょになるとしたら、
“防水”は出来ていません。

ゴアテックス神話を鵜呑みにしない

最近の雨具は、“防水、透湿、撥水”を各メーカーが色んな謳い文句でPRしています。
その中でも、わかりにくく厄介なのが、“防水、透湿”です。
代表的なのが、皆様ご存知の【ゴアテックス】です。
『水は通さないが空気は通す』という、極薄いフィルムなのですが、
どこのメーカーも同じようなフィルムを所有しており、
同じような性能だったりします。

同じような性能というと語弊がありますが、
耐水圧いくらとか、透湿性いくらとか言われても、
雨具に求める性能としては、どのメーカーをとっても十分すぎるぐらいの性能を併せ持っていると思います。

経年劣化の事を考えると、ゴアテックスは他のメーカーのそれと比べて、材質の違いからほとんど劣化しないと言われていますので、長い目でみればゴアテックスが良いという意見が大多数です。
但し、ゴアテックス製品は他の製品と比べて、価格的に随分と高く『価格分の差があるのか?』という疑問が発生します。
結論から言うと、そこまでの価格差のメリットはないと断言します。(個人的意見です)

何を重要視するか?

私はこれまでゴアテックス製品も使った事もありますし、
他の製品も使った事もあります。
実際、雨に降られた際、どの雨具も内側まで水が浸水した事はありませんでした。

防水透湿は蒸れないと良く言いますが、そんなことはありません。
雨の中を普段の服装より多く着て登山をするのですから、
当然服の中は蒸れ蒸れです。
よって、透湿性のレベルは関係なくなります。

それよりも、撥水性を気にした方が蒸れの軽減になります。
なぜかと言うと、撥水してないと雨具表面に水の膜が出来て、
より一層服の中からの蒸気が逃げにくくなります。

撥水性はどうやっても落ちて来ますのでメンテナンスが必要です。
間違えた洗濯をしない限り、ある程度の撥水性はキープ出来ます。

しかしながら、撥水性、防水透湿性が最高レベルでも、
夏の登山で雨具を着ると、やっぱり暑い・・・・
『濡れてもいいから前ファスナーを開けよう!』て事がなかったですか?
私は何回か(いや毎回かな?)あります。
結局、手っ取り早く蒸れをなくそうと思えば、隙間があれば良い訳で、
冬山で着る事が多いハードシェルなんかに採用している、
【ベンチレーション】があると、蒸れはかなり改善出来ると思います。

パタゴニア トレントシェルジャケットが良い!!

ベンチレーション付きを探してみると、
雨具(合羽)ではほとんど見つからず、
雨具の代わりにもなるという書き方で紹介されていた、
パタゴニア製【トレントシェル】を発見。


ファスナーで大きく開きます

位置的にはハードシェルですが、がっつり冬山用というより、秋冬用の上着といった感じです。
パタゴニア独自の防水透湿性フィルムH2No
を採用した、2.5層構造。
表面はDWR(耐久撥水)しており、結構本格的な仕様です。
特徴的なのは、私が求めている脇にある大きなベンチレーション機能です。
2年ほどこれを使っていますが、ベンチレーション全開でも、
そこから雨が入りこむ事はありませんでした。

これを購入する際、ゴアテックスとの比較とか、
私の様に雨具を選ぶポイントの考え方を書いたブログ等、色々調べました。
そこで、行きついた私の考えは、
ゴアテックスに拘らない
それなりの防水透湿性、撥水性があれば良い
メーカーは好みだが見栄を張りたいので有名メーカー
ベンチレーション機能付き
コンパクトになる事、なるべく軽い事。
あとは色とデザイン。
忘れてはいけない価格が安い事。

恐らく、もっと安くて良いものがあったと思いますが、
これを買った当時、やたらパタゴニア製品が格好良く見えていて、
この【トレントシェル】に決めた次第です。

まとめ

ゴアテックス自体は長く使えるのは事実ですが、
その前に本体の劣化や、汚れ、ファスナー等の破損、撥水性の低下等が先に来ます。
このように考えると、雨具は消耗品と捉え、
最低限の性能を保ちつつ、なるべく価格を抑えた、
自分の気に入った物を購入する。

あくまで、私の様にたまにしか山に行かず、
本格的な雨の日は登山自体中止するような人にとっては、
こんな考え方でOKなのではと思います。

冒頭に書いていたポンチョも、何故“アリ“なのかというと、
ポンチョは腰から下は大きく開いています。
日帰りや、山小屋泊まりですと、
ポンチョからはみ出ている足もと(膝から下あたり、靴も含める)が濡れたとしても、日帰りではちょっと我慢すれば帰れますし、
山小屋では乾燥室がありますので、朝までには乾きます。

逆に、【雨の日も何のその!】、毎週のように山に入り、【長期縦走が当たり前!】といったガチな登山者はしっかりと吟味した雨具選びが必要でしょうね。 

私はパタゴニアの回し物ではありませんが、【トレントシェル】は、超有名登山メーカーのゴアテックス製品より快適だと思っています。